【書評】『彼岸花が咲く島』李琴峰
リベラル版 女流百田尚樹
日々ネトウヨと戦うツイ廃として知られ、作品よりも本人が目立っている著者。芥川賞受賞のこの作品は、近未来の女性優位となった沖縄離島の話で(純文学ではなくSFです)、現代の男性権力に物申すような内容だが、当の本人が芥川賞作家であることを鼻にかけて、しもじものツイ民にマウントしているのだから話にならない。とりあえず歴代の芥川賞作家で一番ドヤってるのは間違いなさそうだ。李琴峰に「リアル響かと思った」という呟きを引用して、「似てるかな?」と実写版の響役の平手友梨奈の写真を投稿しているあたり、かなり調子に乗ってると言わざるをえない(なお、李琴峰本人の顔はたんぽぽの白鳥似)。
李琴峰は台湾籍で日本在住。沖縄離島が舞台の作品は、無駄に沖縄と台湾の名詞が入り混じってクソ読みづらい。言語で遊んでますよ感が鼻につく。そんで「〜ニー」「〜ラー」と現地民の言葉を無意味にわかりづらくしたりと、中身のない個性を出すことに必死。それらを取り除いた地の文は超凡庸。ただ読みづらくした、つまらないストーリー。フェミニスト兼リベラルである著者の思想を登場人物に語らせるなど、「左の百田尚樹」といった趣もあり。
彼岸花が咲く島
李琴峰
定価:1,925円(税込)