深田恭子の心を蝕んだ ハードワークと男の存在
ドラマや映画、CMと、ホリプロの顔として華やかに活躍していた深田恭子が突如適応障害による活動休止を発表した。心配の声が広がる中、彼女を限界まで追い込んだ原因が注目される。抱えすぎた仕事か、結婚願望を叶えてくれない男か、その真相とは。
取材・文/金子悠 (実話BUNKAタブー2021年8月号掲載)
快進撃の裏に不安定な日々
「活動休止に追い込まれたきっかけはオーバーワークと男の存在です」
そう断言するのは、女優・深田恭子(38)を知る芸能関係者だ。深田が当面のあいだ芸能活動を休止すると発表したのは今年5月26日のこと。その理由として提示した病名は「適応障害」だった。
「その前兆が現れたのは昨年秋でした。その頃、撮影が行われていたドラマの撮影で彼女はセリフを覚えることができず、何度もNGを出した挙げ句、いわゆるイップスのような状態になってしまった。簡単な動作すらできず、突然大声をあげて座り込んでしまったそうです。そのまま動けなくなってしまった彼女は、テレビ局の医務室に運ばれたと聞いています」(ドラマ制作関係者)
深田の異変を感じ取ったスタッフは、その日の撮影中止を決定せざるを得なかったという——。
昨年以来、深田の快進撃が続いている。複数のドラマ出演に加え、3本の映画撮影をこなし、約10社のCMに起用。ホリプロ3人娘の〝長女〟である深田は、かねてより日々のハードワークを指摘されていた。
「結婚した〝末女〟石原さとみの穴を埋めるべく、深田は事務所の売上の多くを担っていた。特筆すべきは、あのレベルの女優なのに、いまだに水着を晒していることですよ」(事務所関係者)
昨年4月には『週刊プレイボーイ』(集英社)の表紙に登場。肉感的なボディとアラフォーとは思えない小麦色の肌をあらわにした。さらに同年5月、2年ぶり21冊目の写真集『Brand new me』を同社から発売したのだ。
「30代後半になってもコスプレも厭わず、セクシーな姿を惜しげもなく披露する彼女は事務所内でも異色の存在。例えば、〝次女〟である綾瀬はるかは清純路線を崩さず、交際報道がほぼ皆無で、韓国人俳優との熱愛も事務所の力でねじ伏せてしまった。それに対し、ある種の奔放さが売りの深田は過去に男性との交際が報じられても人気が落ちない特別な存在なのです。まさにホリプロの屋台骨を支えていると言っていいでしょう」(同前)
破竹の勢いの活躍を見せる深田だが、冒頭のように彼女の心身は次第に蝕まれていった。それは周囲にもわかる変化だったという。
「マネージャーを大きな声で呼びつけることはしょっちゅうで、唐突に涙を見せるなど情緒不安定な日も増えていった。活動休止の発表直前の5月24日、深田はイベントに参加していましたが、終始目は虚ろ。激やせぶりがスタッフの間で話題になった」(前出・芸能関係者)
元暴走族・杉本氏との出会い
人一倍結婚願望が強い深田にとってオーバーワーク以上にストレスになっているのが、男の存在だった。深田と不動産会社シーラホールディングス創業会長の杉本宏之氏との交際が発覚したのは、一昨年1月上旬のこと。杉本氏を知る不動産関係者が2人の馴れ初めを解説する。
「杉本さんが行きつけにしている都内のワインバーにたまたま深田さんが客として現れ、オーナーに頼んで同席させてもらったのがきっかけです。当初、深田さんはチャラい風貌の杉本さんに警戒心をあらわにしていましたが、杉本さんはもともと深田さんの大ファンだった」
六本木の飲食店関係者が杉本氏の口説きの手口を明かす。
「好みの子と店で遭遇すると、かならず生まれ年を聞いて、その年のワインを出してくる。深田さんと一緒に飲んだときも、(生まれ年である)1982年のブルゴーニュの赤を見つけてきて『これを皆さんで飲みましょう』と振る舞ったといいます。周囲は『これ、恭子の生まれた年だねって、お前はハズキルーペの舘ひろしか』と苦笑していましたが、本当に彼女がなびいてしまうとは(笑)。その後、グループ交際のような状態が何カ月か続いた末、周囲が『付き合っちゃいなよ』と盛りたて、次第に深田さんも心を許していったんです」
だが、深田の周囲は杉本氏の出自を知り、大反対したという。一体、どういうことなのか。そして、杉本氏とは何者なのか——。
77年、茨城県に生まれた杉本の幼少時代は荒れ果てていた。家庭の事情で各地を転々とし、川崎市に根を下ろすと、暴走族「死ね死ね団」に所属。背中に十字架のタトゥーを彫り、不良として一目置かれる存在になった。ところが、97年に一念発起し、投資用ワンルーム販売会社である東光マンションセンターに就職。入社3年を待たず、100人以上いる営業マンの中でトップに立ったという。約5年間のサラリーマン生活を経て、独立。2001年12月に起業し、株式会社エスグラントコーポレーションを設立した。
「わずか4年で東証セントレックスに上場し、100億円近い大金を手にしたとき、杉本氏は28歳という若さでした。当時、メディアは杉本氏を『業界の風雲児』と祭り上げた」(経済誌記者)
交際反対のホリプロ幹部を懐柔
だが、それは「作られた虚像だった」と証言するのは杉本氏を知る会社経営者だ。
「実は、東光マンションの社内では、杉本のことはタブーなんですよ。なぜなら、彼はトラブルを抱えて東光を出ていったからです。彼は当時から外見はアフロで目立ちたがり屋でしたが、〝手癖〟も悪かった。当時、ワンルームを売るのにテレアポで当たりを付け、可能性がありそうな相手の連絡先の情報をリスト化して大切に保管していたのですが、杉本はそのリストを同僚や先輩の目を盗んで、勝手にパクってしまうんです。とにかくセコくて、横取りしては社内で揉めていました。独立後、彼は昔の仲間から総スカンを食らっていましたね」
案の定と言うべきか、その後、リーマンショックの煽りを受けたエスグラントコーポレーションは2009年3月に民事再生を申請。杉本氏は自己破産した。
だが、その翌年。杉本氏はエスグラント時代の仲間だった4人の経営者から出資を受け、不動産会社シーラホールディングスを設立し、現在、同社は年商200億円に達している。まさに波乱万丈の浮き沈み人生を送っているのだ。
「プライベートではバツ2。前妻との離婚が成立したのは18年11月ですが、時を同じくして深田さんと知り合ったのです」(知人)
自己破産、タトゥー、バツ2——そんな杉本氏との交際に反対したのが、深田の所属するホリプロの幹部だった。交際報道後、スポーツ紙の取材に対し、同社は「食事をご一緒したことはありますが、それ以上の関係ではありません」と即座に否定してみせた。
「深田は杉本氏と交際する直前までKAT—TUNの亀梨和也と交際していました。しかし、なかなか結婚に踏み切ろうとしない亀梨に対し、深田の心は離れていった。そんなときに杉本氏と知り合い、結局、彼に乗り換えてしまったんですよ。杉本氏は最初から彼女と結婚したいと公言していましたからね。事務所内では『このまま亀梨くんと結婚してくれれば良かったのに』という溜息が漏れていました」(前出・芸能関係者)
杉本氏はホリプロを懐柔するため同社幹部に向け、交際を直訴する手紙を書いたという。
「その結果、マネージャーを交えて食事をすることになったそう。そうした地道な努力の結果、ようやくホリプロに交際を認められた。時を前後して、深田の親にも挨拶に行ったそうです」(同前)
そんななか、杉本氏が頼ったのが、政財界はもちろん芸能界にも多大な影響力を持つ幻冬舎社長の見城徹氏だったという。
「杉本さんはインタビュー取材などで『尊敬する人は見城徹』と常々公言し、経営哲学に心酔しているんですよ。実は、深田さんと交際を始めた当時から杉本さんは本気で株式上場を目指しており、アドバイザー的な役割を担っているのが見城さんなのです。杉本さんは一日でも早く深田さんと結婚したかったようですが、見城さんは大反対。(見城氏から)『順番が逆だろう。上場してから結婚。そうすればご祝儀相場も狙える』と説得され、今は仕事に邁進するときと判断。深田さんとの結婚は上場後に先延ばしになったといいます」(同前)
深キョンへの献身は本物か?
杉本氏は交際当時、「1年以内には結婚する」と周囲に公言していたが、お預けを食らった格好になった。深田はそんな杉本氏にある条件を突きつけたという。6月3日発売の『週刊文春』によると、深田は杉本氏と「婚前契約」を結んでいるという。同誌では、杉本氏の知人の証言が以下のように綴られている。
「事実上の結婚に近い。たとえ破局したとしても、結婚と同様に、資産を分配する内容です。杉本氏の会社は株式上場に向けて準備を進めており、上場すれば、杉本氏の資産は莫大なものになる。結婚を視野に入れた交際という杉本氏の意志の表れでした」
また、杉本氏と深田は昨年末ワインバー「K&H」を都内にオープンし、事実婚状態だというのだ。
「深田は杉本氏に対し、『ファンに認められる彼氏になってほしい』と語り、服装や髪型などをアドバイス。それ以降、杉本氏は髪色を大人しくし、格好も地味になったそう。連日飲み歩く生活を捨て、昼間に小顔矯正にも通うほど深田好みの男になろうと努力しているんです(笑)」(前出・芸能関係者)
杉本氏の献身について別の知人が語る。
「5月中旬、深田さんは自宅にたどり着くやいなや、心労で床に倒れ込んでしまったそう。杉本氏はすぐに病院を手配し、仕事を休んで看病した。『明日も朝から仕事』と朦朧としながらつぶやく彼女を見て、『さすがに働きすぎだと思った』と事務所と掛け合うことを決意したと話していました。それでもホリプロの経営を気にする彼女に対し、杉本氏は『俺がホリプロを経済的になんとかする』とまで言い放ち、男気を見せたとか」
今年10月には主演映画『劇場版 ルパンの娘』が公開予定。同映画は5月半ばにクランクアップを迎えたが、その他の連ドラの撮影に加え、新たなCMの撮影や番宣の仕事などが目白押しだった深田。さらに深田にとっては一番体力を奪われる主演舞台が年末に控えていた。前出の芸能関係者によると、深田の年収は1億5000万円。杉本氏はそれを知り、「経営者として稼ぐほうが、いかに楽なことか」と嘆息し、芸能人として生きる難しさを身に染みてわかったと周囲に漏らしているという。
適応障害を抱える深田の一番の理解者となった杉本氏。献身か、打算か——。いま〝元暴走族ビリオネア〟の真価が問われている。